ライナーノーツ<1>

「過去に書いた文章の『あとがき』を書いてみたい」


このサイトに文章を書き始めてから、それなりに文量が溜まった1年半が過ぎたくらいからだろうか、そんなことをぽつぽつと思い始めていた。それでサイトを始めてちょうど2年目を迎えるのを機会に、過去に書いた文章を章ごとに振り返ってみようと思う。


たまには自分の過去の文章を読み返してみるけれど「これを書くのを忘れていた!」と思うことの連続だった。そういった書き忘れていたことも含めて補足をしていきたいと思った。それに「これってボクが書いたんだっけ?」と思うことの連続もあった。書いてから時間が経過した今なら新鮮な気持ちで振り返ることができそうだと思った。


同じ過去の出来事を文章に書いていても、今日書いた文章と、明日書いた文章と、明後日書いた文章では違う内容になるだろう。つくづく文章は「生もの」だと思う。


2年間、このサイトの更新を毎日続けた理由の一つに「バッターボックスに立つのを止めたくない」と思いがあった。こうやって今も書いている文章は、この瞬間だからこそ書けるものであって、ボクの精神の底にある目に見えない漠然で曖昧でコロコロと変わる感情を拾って文章に書いてきた。元来は飽き性のボクにとって、日々変化する「モノ」と向き合うという行為は飽きさせることが無かった。


今回の一連のカテゴリーのタイトルだけど『ライナーノーツ』という言葉にした。


本来はCDに入っている製作者もしくは解説者が書いたアルバムや曲の解説文を意味するものだ。ここでは『あとがき』という言葉の方が正しいと思うけど、その言葉を使うと、なんだかサイト自体がこのまま終わってしまうような、後ろ向きな感じがしてしまうので、もっと別の前向きな言葉にしたいと思った。それに『あとがき』という言葉よりも、『ライナーノーツ』の方が「カッコいいんじゃない?」という極めて子供染みた考えでつけてみた。後日、ボクの気が変わって「なんでこんな恥ずかしいタイトルをつけたんだろう?」と後悔しないことを祈っている。


過去に書いた賞味期限切れの「生もの」を読んで、消化不良で腹を下すだろうか。はたまた栄養にして何かの糧にすることできるだろうか。せっかく過去を振り返るのであれば、もう一度、賞味期限切れの「生もの」に、新しい息吹をもたらせることができるよう、あれこれと読み方や書き方を考えながら向き合っていこうと思う。