ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

サイト更新のルールを決めました

神原:今年の一月末くらいから、このサイトを開始したけど、現時点では毎日更新してるんだよね。

村上:えっ……でも記事の開始は二月からだけど?

神原:最初は『note』に連載してたんだけど、なんというか……『note』に投稿している人たちって、上流階級というか、山の手の人たちというか、ボクのサイトの内容を投稿するのは合わないなって感じたんだよね。そこで途中から『はてなブログ』に移籍しました。もともと『はてなブックマーク』は、ネットでバズってる話題を確認するには手っ取り早くて、よく見てたから『はてなブログ』に移籍したんだ。

村上:そんな経緯があったんだ。

神原:そんな訳で、そろそろこのサイトについて、ルールを作っていこうかなって思ったんだ。

村上:なんでまた今頃になって、ルールを作るの?

神原:いや〜前から更新時間とかバラバラで、深夜0時に予定投稿機能で更新するようにしてたんだけど、書いた本人は二十三時くらいには夢の世界に飛び立ってるし、酷い話だと思ってたんだ。そもそも読んでくださってる人にも、バラバラの時間にサイトを更新するよりも、時間を固定した方がいいかと思ったんだけど、内容的には朝向きではなく夜向きのようにも思えるし。

村上:まぁ……朝からハッテン場の話なんて読みたくもないだろうし、一日のスタートからして、鬱々としそうだね。

神原:それでルールを決めたんだけど、以下のようにします。

 ○更新日時:毎日二十二時
 
 ○コンテンツの構成
  日曜:最近のあれこれ
  月曜:ノンケ友人とのトーク
  火曜〜土曜:本編
 
 一個あたりの記事の文量は、原稿用紙の二枚から三枚。仕事の都合で書けない日があったらごめんなさい。

 次の火曜日から、こんな感じのルールにします。

村上:ところでいつまでこのサイトの更新を続けるつもりなの?

神原:どうなんだろう……現時点では、まだまだ書き足りないことがあるし、書き足りないことを書いている途中にも、新しく書きたいって思うことが出てくるし、ネタには事欠かないね。一年間は毎日更新したいとは思ってるけど、火曜から土曜日に更新する本編の終わりが一区切りになるのかな。いつ終わるのか未知数だけど。

村上:でも最近は本編が全く進んでないみたいだけど?(;^ω^)

神原:予定だったら、今月中には『カミングアウトの代償』と『住吉綺譚集』のどっちも終わってるはずだったんだけどね。おかしいよね…… (>ヘ<)

村上:仕事の見積もりが甘いんじゃないかね?神原くん! (`Д´)

神原:はぁはぁ……もっと注意して欲しい。ヾ(*´∀`*)ノ  それよりも文章を書いてると、吐き気がするというか複雑な感情を持ちながら書いてしまうことに困ってて、話が進まない理由の全てはそこにあるような気がする。特にこの記事を書いてる時とかは、もう精神的にもハイテンションになってて書き終わった後も、なかなか眠れなかったよ ( ̄x ̄;)

 

村上:そうまでして書かなくてもいいんじゃないの?

神原:ねぇ……自分でもそう思います。そろそろサイトを開始して半年になるけど、過去の思い出とか書いてて、自分の中でも色々と思うところが出て来てて、その辺のことも書いていこうかと思ってます。一言でいうと「罪悪感」って言葉になるんだけどね。また書き出すとハイテンションになりそうだから、いつか心身ともに安定している日に書くことにするよ (・`_´・ )

 

村上:「罪悪感」か……なんだか暗い話になりそうだね(;^ω^)

清潔感って大事だよね

 少し前に投稿されたヤシュウさんの記事を読んだ。あぁ……わかるわかると思いながら、自分も同じような体験をしたことがあった。 

 

 ボクは口臭がキツイ人とは、どんなに好みの顔をしていても、関係を持つのは無理だ。

 ちなみにボクは歯磨き+デンタルフロス+電動歯ブラシ+リステリンで口腔ケアを毎日行なっている。三ヶ月~四ヶ月に一回は歯医者に歯石除去などのケアに行っている。少しというか……やりすぎかもしれない。もともと歯の質もいいらしく虫歯になったことがない。

 この記事を読んで、大学時代にゲイ向けの掲示板の書き込み経由で、三十歳中盤の男性と出会ったことを思い出した。

 細かい話は省くけど、ボクはその相手の部屋に入った。部屋は物が散乱していて、使用後の皿も洗い場に放置されていた。洗濯物も丸めて隅に落ちていた。そして部屋のいたるところに、枯れ草ボール(回転草のこと)ならぬ、埃ボールが転がっていた。自分で言うのもなんだけど、ボクは部屋に必要のないものは置かないし、掃除も小まめにしている。かなりの綺麗好きだ。

 相手の男性は、一方的に自分の職場の愚痴を言ってて、ボクの方はずっと相槌を打って聴き続けていた。

 どうしよう……もう帰りたい。

 話しながら、部屋の汚さにどんどん目がいってしまいボクは逃げ腰になっていた。相手の男性は、ボクが迷っていることに気づかないで話し続けていた。そして徐々にボクに体を近づけて来たけど、口臭も酷かった。

 よし……断ることに決めた。

 口臭を嗅いで、ボクの中で腹は決まった。誘いを断って帰るのは、相手に対して失礼かとも思ったんだけど、なんだかこの人と関係を持つと、自分の今までの人生を否定するような気分になっていた。それに今まで一生懸命に育っててくれた親にも申し訳ないような気がした。

「じゃあ……そろそろヤる?」

 相手の男性はおもむろに言って来たけど、ボクは勇気を振り絞って言った。

「ごめんなさい……帰ってもいいですか?」

「えぇ……なんでなの? 理由は?」

「ごめんなさい……ボクが全部悪いので」

 ボクはとにかく低姿勢になって、頭を下げていた。本当の理由を伝えると殴られるか無理やり襲われそうなので止めることにした。

「せっかく好みのタイプなのに〜」

「ごめんなさい」

 ボクは謝罪しながら、荷物を持って玄関に向かった。

「本当に帰るの?」

「ごめんなさい……悪いのは僕なので!」

 ボクは丁寧に頭を下げて玄関に向かった。そして「お邪魔しました」と礼をして、急いでエレベーターに乗ってマンションから出ていった。

 それからボクは有料ハッテン場でも、清潔感が無い人とは、絶対に関係を持たないようになった。口臭や体臭などの身だしなみに気を配っている人でないと、そもそも尊敬ができないし、ボクも価値のある人生を歩んできてるとはいえないけれど、そんな相手と肉体関係を持つと自分の人生を否定するような気分になるからだ。

 身だしなみや住環境などの外的な要因って、その人の人間性にも影響してくるだろうし、ボク自身も大切にしていきたいなって思います。

 ヤシュウさんとは同年代だからなのか、他にも同感できる記事が多いです。

住吉奇譚集<12>

 真っ暗な闇の中を手探りで、三階までたどり着いた。

 店内にいる合計人数は約十五人で、三十代はボクをいれて二人。四十代が一人。残りは軽く五十代は超えているメンバーばかりで最年長は七十歳は超えていた。

 その店は三階建ての建物だ。

 年配の客には階段を登るのがキツイようで、「よいっしょ」という掛け声を上げながら一段一段、慎重に登っている人が多かった。階段の途中には、何故だかティッシュが何枚か落ちていた。後々に目撃するのだが、バックをした年配の客が、ティッシュでお尻を拭いて、そのまま尻尾のようにくっついたまま途中で剥がれ落ちる物だった。ティッシュは階段だけでなく、廊下の途中にも落ちていた。ボクはその現場を目撃した時、思わず目を背けてしまった。そして肉体関係がやたら過激だった。さっきの店の初々しく思えるくらいだった。一人の男性を、激しい声を出しながら四人がかりでバックで回していた。

 ボクはドン引きしながらも、壁にもたれかかって、その人達の様子を見ていた。

 みんなボクよりも遥かに年上の人達だった。意図して来たわけではないけれど、こんな年配の人向けの有料ハッテン場があるなんて知らなかった。三十代はボクともう一人だけである。こんな状況になってくると、さっきの店では相手にされなかったけど、全く逆に立場になってしまう。ボクはすれ違う人たちから、悉く狙われる羽目になっていた。

 もう一人の三十代の男性は、六十代後半くらいの男性と仲良くベッドで寝ていた。どうやらその年配の男性にゾッコンのようで、子供のように甘えていた。二人の会話を聞いていると、もともと老け専のようだった。そもそもボクがこの店に入るきっかけになった書き込みも、きっと、この三十代の男性が書き込みがきっかけになったのだ。

 親父さん大好き。何時くらいが多いのかな? ムラムラする親父さんいないかな? 168ー58ー32

 掲示板に書き込まれたプロフィールと、実際の外見から間違いなく彼にぴったりだった。よくよく彼の書き込みを見ると、この店が年配の客が多いことをなんとなる予感することもできないこともない。この三十代の男性の顔を休憩室で見た時は驚いた。テレビを見ながら他の客と無邪気に話していたのだが、まるで父親と息子のようだった。そしてかなりハンサムだった。男性にも女性にも、かなりモテると思われたけど、年配にしか興味がないようで、ひたすら年配の客に話しかけていた。

 世の中……色々な人がいるな。

 ボクはしゃがんで壁にもたれて、年配の男性達が過激に回しているのを、眺めながら物思いに耽けっていた。

<つづく>

カミングアウトの代償<17>

 ボクは学校に戻ってから、ホモキャラを演じることを止めた。

 今まで表面上は仲良く付き合っていた人達とも距離を取るようにした。ボクの演じていたキャラクターもちょうど飽きられ始めた時期だったのだろう、それから多くの同級生達がボクの前から去って行った。そして何人かは、ボクに聞こえるように「気持ち悪い」とか、言っていたけど無視していた。最後に残ったのは松田君を含めて三人だった。

 ちょうど大学受験が迫っていた時期だった。みんな自分のことで忙しくなっていた。クラス内でいじめられている生徒もいたけど、そんなことをしている暇も無くなっていた。

 ボクは同級生の間では、完全に道化だった。

 もう二度と、こんな道化を演じることは止めよう。そう固く決意した。ただ……ボクはもう一度、似たような過ちを繰り返してしまうことになる。それは社会人時代になってからのことだ。

 ボクは学校を休んでいる時も、国語、日本史、英語の三教科はきちんと勉強していた。なぜこの三教科だけでよいかというと、初めからセンター試験を受けるつもりがなくて、私立大学の文系受験をするつもりだったからだ。もともと国語は得意だったし、日本史も好きだった。英語は単語、熟語、文法を覚えておけば、人並みには点数が取れるので、とにかくこの三教科だけはきちんと勉強していた。だから勉強面に関しては学校に戻る時も心配ではなかった。

 ボクはホモキャラを演じる必要がなくなって安心しているある日だった。

 学校から自転車を押しながら帰っていると、道の向こうに黒い学生服を着た二人の生徒がいた。ボクが歩いているのは田んぼが並んでいる農道で、その先には踏切があった。その踏切の前で二人の学生が自転車を止めて雑談していたのだ。ボクは徐々に近づきながら、なんとなく見たことがある人達だなと思っていた。十メートルくらい近づいた段階で二人が何者なのかはっきりと思い出していた。

 きっと……小学時代の同級生だ。

 この二人とは特に仲が良くて、親同士も友達だった。毎日学校で一緒に遊んでいたし、お互いの家に行き来してよく遊んでいた。小学校を卒業してから五年近く経っていたけど、卒業後は一度も会っていなかった。ボクは懐かしくて気軽に声をかけた。

「久しぶり!」

 二人とも話すことに夢中になっていて、ボクが声をかけるまで近づいていることに気がついていなかった。ボクの声を聞いて、二人は揃ってボクの顔を見た。そして二人とも何故か気まずそうな顔をして、お互いの顔を合わせていた。ボクは懐かしくて気軽に声をかけたけど、二人の反応を見て様子がおかしいことに気がついた。

<つづく>

住吉奇譚集<11>

 ボクは休憩室をのぞいた後、ロッカールームに戻っていた。先ほど見た光景に、ただ驚いていた。四人ほどいたけど、全員が五十歳後半か、軽く六十歳中盤を超えてている人ばかりだった。もしかすると……七十歳を超えている人もいたかもしれない。

 どうしよう……来たばかりだけど、もう帰ろうかな。明らかに間違った店を選んでしまったかも。何で沢山ある店から、この店を選んでしまったんだろう。

 ボクは同年代か少し年上の人が好きだったけど、この店の客層は、少し年上どころではなかった。恐らく自分の父親より年上の人ばかりだった。流石にボクの許容できる年上の範疇を超えていた。

 ロッカーを開けて固まっていると、六十歳は軽く超えているだろうと思われる人が階段を降りてきた。そしてボクの隣のロッカーを開けて、カバンの中から水を取り出してボクの方をチラチラと見ながら飲んでいた。いつになっても固まって動かないボクを不審がっているようだった。

 とりあえず……シャワーでも浴びて上の階の様子を見てから考えようかな。寝るところがあれば、仮眠して始発に乗ってから帰ればいいよね。それに上の階には、同年代の人が結構いるかもしれない。

 休憩室のメンバーを見ただけで、ボクの予測は、ほとんど期待ができなかったけれど、前向きに考えることにして、タオルとバスローブを持って浴室に行った。一軒家の浴室をシャワーだけ使えるようにしていて、本当に三階建の一軒家をそのまま有料ハッテン場にしたような感じだった。ボクは軽くシャワーを浴びて体を拭いてからバスローブを来てロッカールームに戻って来た。そして真っ暗になっている階段を登っていった。

 二階に上がると真っ暗だった。やっぱり店の照明は、客の年齢に影響すると思う。さっき行った店は若い人が多いから明るかったけど、次の店は顔の判別もできないくらいに真っ暗だ。ただ大人向けなのか店内にうるさい音楽は流れてはいなかった。所々で、アロマか何かを焚いているのか、店内はどの階もいい匂いがした。

 ボクは暗闇の中に映る微かなシルエットや歩き方だけで、相手の年齢を類推していた。すれ違う人は、みんなボクよりも遥かに年上ばかりだった。

<つづく>

同性愛者の親になるということ

 最近、このサイトで高校時代のことを書いているけど、その勢いで、ある出来事について急に書いてみたくなった。とっても嫌な思い出だ。今日という日を逃すと、ずっと先に書くことになりそうだから、この機会を逃さずに書いてみようと思う。

 それは高校の卒業式の日だった。

 卒業式が終わって、ボクらは体育館から自分達の教室に戻り、先生が戻って来るのを待っていた。そして生徒の後をついて来て、卒業式に出席した親達も教室に集まっていた。

 何人かのクラスメイトが親と仲良く話していたが、ボクは母親と目を合わせないようにしていた。ずっとクラスメイトと雑談をしていて、母親が話しかけて来る機会を作らせないようにしていた。

 しばらくすると先生が教室に戻って来た。そして最後の行事として、生徒の名前を一人ずつ呼んで、教室の前に立たせて先生と握手をして卒業証書を渡すことになった。

 ボクは自分の名前を呼ばれるのが嫌だった。先生がボクの名前を呼んで前に立ってしまえば、後ろに並ぶ親達に、ボクの名前と顔が一致してしまうからだ。

 以前から「俺の親も、神原ってホモがクラスにいるの知ってて興味深々なんだけど」と、幾人ものクラスメイトから、同じような発言を聞かされていた。確かに……自分からゲイだなんて、カミングアウトする生徒は滅多にいないだろうし、親と雑談していて流れで、その話が出てしまうのは分かる。クラスメイトを責めるつもりもなかった。

 次々に生徒の名前が呼ばれて、気がつくとボクの順番になっていた。

「神原」 

 先生の呼びかけに、ボクは小さい声で「はい」と応えて、教室の前に進み出た。後ろに並ぶ親達の視線が痛かった。

「あぁ……この子がホモなんだ」

 後ろに並んでいる親達の何人かが、そう思ったに違いなかった。そして、さらにこう思ったのに違いない。

「きっとこの子の母親も、私達と同じように後ろに並んでいるんだろう」

 ホモの母親という目で、自分の母親を見られたくはなかった。ボクが母親と会話をしないようにしていたのは、このためだった。

「大学に行っても頑張れよ!」

「はい……」

 ボクは居心地の悪さに、小さく返事をして先生と握手を交わした。そして自席に戻る時、ボクの視線の先には自分の母親がいた。母親は嬉しそうに笑っていた。でもボクは目を合わさないで席に座って、下を向いてただ時間が過ぎるのを待っていた。

 先生の最後の挨拶も終わって、卒業式の行事が全て終わった。ボクは急いで母親の元に行った。

「村上くんと一緒に帰るね」

 そう母親に言い残して、教室から出て行った。ボクは卒業式に出てくれた母親と、この一言しか会話をしなかった。

 ボクは自分がゲイだと見られることには耐えられた。でも自分の母親が似たような目で見られることには耐えられなかった。

 母親に申し訳ない気持ちで一杯だった。 ボクが母親のためにできるのは他人のように 振る舞うことだけだった。どれだけ母親を傷つけただろう……でも母親はボクの考えていることなんて全く気がつかないだろう。

 同性愛者になってしまってごめんね。

 ボクが他にできることといえば、心の中で母親に頭を下げることしかなかった。

  大人になっても、未だに高校の卒業式のことを思い出すと胸が締め付けられる思いがする。これは大学生になってからカミングアウトを控える、きっかけとなるの一つの出来事だ。

住吉奇譚集<10>

 どうみても……普通の民家だよね?

 地図アプリの示していた、目的の住所に到着していたけど、目の前にあった建物は、三階建の民家だった。

 もしここが有料ハッテン場ではなくて、普通の民家だったら、深夜一時に民家のベルを鳴らした不審人物になってしまう。

 どうしよう……呼び鈴を押した方がいいのかな?

 よくみるとドアの取っ手付近に、確かに店の名前のステッカーが貼ってあった。ただ前の店と違って、店の前で何分か時間をつぶしていても、他の客は姿を現さなかった。

 ボクは誰かが現れるのを待つのを諦めて、周囲に人がいないことを確かめて、試しに取っ手を引いてみた。すると鍵がかかっていないようで、ドアは簡単に開いた。

 玄関に入ると目の前にはビニール袋が置いてあって、靴を脱いで袋に詰めて、右のドアを開けて進むように指示が書いてあった。

 本当に民家じゃないよね?

 今まで何件もの有料ハッテン場に来たけど、ここまで普通の民家ぽい店は初めてだった。ボクは指示通りに靴を脱いで、恐る恐る右手のドアを開けた。これで民家だったら、ボクはただの不法侵入者になってしまう。

「なんで民家に侵入したの?」 

「いや〜ボクってゲイなんで、有料ハッテン場と思って建物に入ったら間違ってて民家でした。てへぺろ」

 警察に捕まって、そんな自白をするなんてまっぴらごめんだ。

 目の前には、薄暗い小部屋が広がっていて、右手にはロッカーがあった。部屋の中を進むと奥には階段があって、左側に受付があった。

 よかった……民家ではないようだ。

 受付に声をかけると年齢も伝えていないのに料金を請求された。話し声と話している雰囲気で、四十五歳以下と分かったのだろう。店員にお金を渡すと代わりにロッカーキーとタオルとバスローブを渡して来た。受付を離れて店の奥の休憩スペースに進むと、そこには今まで体験したことがないような異様な光景が広がっていた。

 さっきの店では、ボクより若い二十代ばかりいたけど、次の店ではボクよりも遥かに年上の人たちで一杯だったのだ。
 
<つづく>