ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

ライナーノーツ<24>〜このサイトを始めるにあたって〜

もう2年以上前に書いた文章だけど、そこまで大きく考えは変わっていない。

 

ただ、毎日の更新を止めてから新しく『このサイトを始めるにあたって』のような文章を書く必要が出てきたと感じている。このサイトを再始動するにあたって指針になるような文章だ。

 

2年前に書いた『このサイトを始めるにあたって』の中で書いている通り、異性愛者に向けては暇つぶしに程度に読んでもらえればいいと思っている。ただ僕と同じ同性愛者に向けては少しだけ追加したいことがある。

 

先日、付き合っている彼から「男を捕まえるために毎日、文章を書いて罠を張っていたんだね」と言われた。

 

このサイトは男を捕まえるための「罠」だと言う訳だ。

 

僕としては「そんなことありません」とすっとぼけたい所だけど、はっきり言って彼の指摘通りだと思っている。彼からの「熟練なゲイが純粋な男を手練手管に罠を張って誘い込んだ」というような抗議は無視するとして、僕としては「せっかく罠にかけて捕まえたのだし獲物は逃がさない」と思っている。笑 毎日毎日、文章を書きながら罠を張り続けて、2年がかりでせっかく捕まえた獲物なのだ。彼自身、そんなことを言いながらも罠だと気が付いた上で、自分から進んで罠にかかったように感じている。

 

ゲイブログなんて別に格調高いものでもなく、ゲイアプリやtwitterとは形は違うだけで似たようなものだと思っている。ただまとまった文章を書いて載せることができるので、自分という人間性を理解してもらうのには向いているぐらいものだと思っている。

 

それで今の僕が同じ同性愛者に向けて追加したい文章は、

 

○同性愛者の方へ
ボクは誰かの見本になれるような立派な生き方はしていません。このサイトの文章を読んで、あぁーこいつはバカだな。俺はこういう人生は歩まないようにしようと、反面教師にでもしてくだされば幸いです。

 

 

の後に、

 

そして、もしできればボクと同じように文章を書いてみてください。

  

となるだろうか。

 

つい最近も何人かのゲイブロガーの名前を出して紹介文章を書いているけど、やっぱり新しく文章を書き始めた人を見つけると単純に嬉しかったりする。それで自分と似たような考え方を持った人と出会えた時はなおさら嬉しかったりする。

 

そんなこんなで「ゲイブログも出会い系のツール」だと思っている。

 

 

毎日のサイト更新を止めた前後<3>

ふちさんと悠さん。もう一人は「はるたろーさん」だ。

 

harutaro-minutes.hatenablog.com

 

意外かもしれないけど、僕ははるたろーさんの元気な感じの文章が好きだ。特にはるたろーさんの最初の頃に書いていた文章は「これから先に何が起こるんだろう?」と期待と緊張に溢れている文面で読んでいる方もワクワクさせられた。

 

僕は人付き合いの範囲が狭い。どこかのグループにも属することがなくて、一人のゲイとしての生き方は文章に書いて紹介できるけど、多くの人を巻き込んで何かをするのに性格的に向いていない。そんな僕と違って、はるたろーさんの方が、もっと多くの人を巻き込んで何かをやってくれそうに感じて興味深く読んでいた。

 

夢や将来を語る文章は読んでいる方も楽しくなって来る。

 

僕も彼と二人で話すときになるべく将来について話すようにしている。「いつかやろうね」とか「いつか行こうね」とか、全てを実現できなくても、形を変えて少しでも実現が出来れば、それでいいと感じている。なんだか将来について話しているだけで明るく楽しい気持ちになってくる。

 

ふちさんと悠さん。そしてはるたろーさん。

 

この3人だけどブログを書き始めた時期が、ほとんど同じだったりする。

 

・悠さん。2018/10/4に書き始める。
・ふちさん。2018/10/31に書き始める。
・はるたろーさん。2018/11/4に書き始める。
 ※悠さんはnoteで書き始めて、はてなブログに移動。

 

1ヶ月間に、3人とも文章を書き始めていて、彼らの文章を読みながら「新しい人たちが文章を書き始めたな」と感じていた。そのせいなのか僕の中で、この三人を「三兄弟」のように感じている。近所に住んでいる三兄弟という感じだろうか。ふちさんと悠さんのどちらが年上かは分からないけど、長男がふちさん。次男が悠さん。三男がはるたろーさん。と勝手に妄想して楽しんでいた。「おっ。今日は次男の悠さんが更新している」と更新通知を見て勝手に妄想していた。

 

そんな感じで彼らの書いた文章を読んでいると、現在のことなら、ふちさんの書いた文章の方が論理的で面白い。過去のことなら、悠さんの書いた文章の方が抱えている過去を含めて文面もしっかりしていて面白い。未来のことなら、はるたろーさんの書いた文章の方がもっと多くの人を巻き込んで何かやってくれそうで面白い。

 

そんな風に感じることが多くなってきて「この3人がいれば僕って文章書かなくてもいいかもしれない」と思いながら、こんな文章を書いたりした。

 

mituteru66.hatenablog.com

そんなことを思いながら文章を書いたすぐ後に、三男が『ポケモンGO』について文章を書いるのに気が付いて笑いながら読んだのを覚えている。その翌日「ポケモンGOの記事アップしてる場合ではなかった。」と本人が書いているのを読んで、「僕もそう思った」と笑わせてもらったのを今でもはっきりと覚えている。

お互いの共通点を見つけること作ること

このサイトの更新を再開しようと思っている。

 

本当は4月下旬にある方とメールのやり取りをしたのがきっかけになって、3月に書きかけていた文章の続きを書いた。でも書き終えた文章を保存する前に誤って消してしまったので心が折れてしまっていた。同じような内容の文章を2回も書くのは気が重たくて、なかなか文章を書く気分になれなかった。それでこの場で「このサイトの更新を再開しようと思っている」と宣言して、退路を断ち追い込んでしまえば書く気分も沸き起こってくるだろうと思いながら書いている。

 

近状について書きます。

 

今年のGWは一日だけ帰省したのを除いてずっと福岡にいた。

 

去年のGWは東京まで行ってTRPに参加したけど、今となっては懐かしくなってしまうくらいに状況が変わっている。

 

10連休のうち9日間くらいは彼と一緒にいた。これまで家族以外の人と、ここまで連続して一緒にいたことはなかった。当初は「10連休なんていらない」と思っていたけど、後になって思い返すと「ここまで連続して誰かと一緒に過ごせる機会は今後は持てないかもしれない」と考えてしまって「もっと連休前にどうやって過ごすか決めて準備しておけばよかった」と後悔も沸き起こってくる。とはいえ連休中、映画を観たり、陶器市に行ったり、筍を堀りに行ったり、バラを観に行ったり、地元の祭りに行ってみたりと、いろいろなことをして過ごした。

 

そんな中で、一番時間を使っていたのは以前から少しだけ書いている、彼と一緒にやろうとしている「ある事」だったように思う。

 

ちょうど連休中に、彼が「男女の関係だったら子どもが出来れば『子育て』という共通の目標ができて夫婦一緒に取り込めるけど、ゲイ同士の関係じゃ無理だよね。やっぱりゲイっていう共通点だけじゃ難しいと思う。こうやって二人で一緒にできることがあってよかった」という風なことを言っていた。僕も以前からずっと同じことを感じていた。

 

僕と彼は物の考え方などの価値観は似ているけど「ゲイという共通点」と「考え方や価値観が似ているという共通点」だけでは長く続く関係は難しいと思う。この状態で彼と一緒にデートするにしても、映画を観たり、どこかのイベントに遊びに行ったするぐらいで、そんなことを続けていても飽きてくるし、いつかは会話も尽きてくるはずだ。毎回天神かどこかでデートしているだけでは、いつかは限界がくるように思う。お互いの共通点を作りすぎるのも、いつもベッタリの関係になって問題だと思う。それに共通点を作ると、お互いに深い面も見えるようになっていい面だけじゃなく悪い面も見えてしまうこともあるだろう。ただそれらを踏まえても、そもそもゲイ同士の関係に限った話ではないけれど、ある程度の共通点を作らないと関係は長続きが難しいように思う。

 

例えば『僕たちのカラフルな毎日』を書いた南和行さんと吉田昌史さんには「地元や大学が同じ」や「弁護士」で一緒に仕事しているという共通点があったように。例えば『同性婚で親子になりました』を書いた、八木裕太さんには「オタク」や「同人誌(もともとの出会いは同人誌のコミケで八木さんが書く側で相方が読む側だった)」といういう共通点があったように。

 

出会った時に、お互いに幾つかの共通点が見つかっていればいいけど、そんな偶然もなかなか難しい。でも共通点が無ければ無いで、会話の中からお互いに共通点になりそうな要素を探して出して一から作っていくしかない。共通点を築くまでに関係が切れてしまえば、その関係はそもそも無理だったと諦めるしかないように思う。

 

そういったことを考えていたら、このサイトもボクらにとってはある種の共通点であることに気がついた。そもそもボクは彼から「Aiぽい」と言われるくらいに感情が少ないようで、そんな何を考えているか分かりづらい性格の僕にとっては考えていることを文章に書くのはいいことなのかもしれない。これから先もバランスを取りながら、お互いの共通点を見つけたり作っていきたいと考えている。

毎日のサイト更新を止めた前後<2>

前日に書いた『一つの区切りを迎えました』がネット上で公開された時間帯。ボクは仕事が終わってから彼と一緒に映画館までレイトショーを観に行っていた。「いつもは真面目な映画ばかり観ているけど、たまにはくだけた内容の映画を観てみようか?」という理由から『翔んで埼玉』を観た。ただ映画を観ながら「今頃、あの文章が公開されているんだろうな」と思うと、映画の内容に笑いながらも少しだけ複雑な思いがした。

家に帰ってからスマホを見ると、まだ投稿してから1時間も経たっていないのに、あるゲイブロガーが触れてくれていた。

メールでくれた方には個別にメールで返信しているので、この場ではブログ上で言及してくれている人だけ、ボクの方も言及することにする。驚いたことにブログとメールとどちらでも書いてくれたストーカー染みた人もいたけど、いつか彼とは直接会うこともあるだろう。

最初に言及してくれたのは「nagiさん」だった。

xnagi.hatenadiary.com

nagiさんは過去にも何度かボクのことを言及してくれている。全く気が付いていないかのように反応していないけど、ちゃんと気がついている。恐らく他の誰にも分からないようなボクとnagiさんの間でしか分からない言葉のやりとりが行われたこともある。そんな「めんどくさい」やり取りをしている。nagiさんと直接会ったことはないけど、彼と一緒に警固公園の周辺を歩きながら「あの人がnagiさんかもしれないよ?」と言い合ったりしたこともある。まるで絵本『ウォーリーを探せ!』を現実世界で移し替えて「ナギを探せ!」みたいなことをやったこともある。恐らくnagiさんもボクらと似たような思ったことがあるんじゃないだろか。きっとnagiさんとは福岡の街のどこかですれ違っていると思う。

次に言及してくれたのは「ふちさん」だった。

fuchi00.hateblo.jp

ボクは以前からふちさんとは、かなりの部分で価値観が似ていると感じていた。ふちさんの書いた文章を読みながら「これって自分が書いた文章だっけ?」と思ったこともある。はっきり言って全ゲイブロガー中で、ボクと一番考え方が似ているように感じている。ふちさんは「他にも、僕の文章を読んでくれているのかなと思う文章を神原さんが書いていることもあったりして、それがとても嬉しくて、励みになっていました。」と書いていたけど予想通りだ。ふちさんの書いた文章を読んで、それとなく返信の文章を書いたことが何度かある。

その次に言及してくれたのは「悠さん」だった。

ztp.hateblo.jp

ふちさんと同じように悠さんともかなり価値観が似ていると感じている。ふちさんに続いて二番目に価値観が似ていると感じている。そんな二人が揃って言及してくれたのが嬉しかった。以前も書いたけど、ボクは悠さんの過去に興味がある。まだその過去の出来事を書くまで辿り着いてない。書くには精神的に辛い文章になると思うけど、時間がかかってもいいので、いつかそこまでたどり着いて欲しいと思っている。ボクは悠さんがその出来事にどう向き合っていったのか興味がある。

そんな状態で読者登録はしていなくても気になっているブログは全て読んでいる。はてなブログのゲイグループに属している人のブログは全て読んでいる。無反応のように思えて気になった文章には、それとなくバレないように言及するのが密かな楽しみだったりする。

それで今まで書いてこなかったけど、この機会に打ち明けることにする。

「ふちさん」と「悠さん」。そして今回名前を挙げていないのだけれど、以前から気になっているゲイブロガーが「もう一人」だけいる。ほぼ同じ時期にゲイブログを立ち上げたその3人が書いた文章を読んでいて以前から考えていたことがあった。

毎日のサイト更新を止めた前後<1>

そろそろ……毎日のサイト更新は無理だな。

毎日のサイト更新を止める前日の夜、ボクにしては珍しく寝付けなくて、深夜遅くまで真っ暗な部屋で布団に入ったまま考え事をしていた。

子供の頃から布団に入ると自分に直接関係していることはあまり考えないようにしている。自分のことを考え出したら頭が冴えてしまって眠りにつくことができないからだ。何時もは自分とは全く関係ない別の世界の出来事を想像して眠りにつくのじっと待っている。

その日の夜、サイトの更新について考え出してから「自分のことを考え出したから眠れない」と思いながらも止めることができなかった。

文章を書くには一人の時間が必要だけど、彼と付き合う時間が長くなればなるほど、徐々に一人の時間は減っていた。そろそろサイトの毎日更新を続けるための時間の確保は現実的では無くなっていた。ただ「もっと別のことに時間を使いたい」という思いと「今まで通り文章を書き続けていきたい」という思いがせめぎ合っていた。それにボクは少し極端な性格をしている。毎日のサイト更新を止めてしまったら、今度は全く書かなくなるんじゃないだろうかと心配している所もあった。

結局、朝方の3時過ぎまで布団の中で考え事をしていた。

この時点でははっきりと結論は出なかったけど「近いうちに毎日の更新を止めよう」とだけ決めた。

翌日の朝、職場に着いてから席に座って「恐らく今考えていることを彼に相談した瞬間に終わるんだろうな」と思った。そのことに気がつくと、その引き金を引いてしまってもいいような気がした。どちらにせよ少し前から考え続けていたことだったので、そろそろ悩みから解放されたかったのかもしれない。その悩みの種自体を取り除いた方が手っ取り早く、もっと悩むこと以外に時間を使いたいと思った。

ちょうどその日の昼休み中に彼からLINEのメッセージが来た。

朝に考えた通り、彼に相談した瞬間に自分の中で結論が出るだろうなと思った。

それで話の流れがひと段落ついたところで、

少し話が変わるのですがいいですか?

と話しかけた。この瞬間に「これで終わった」と感じていた。

ブログの更新ですが近いうちに毎日の更新を辞めます。

そんな文章を彼に送った。その後、彼と何通かメッセージのやり取りをした後に「ブログは十分役割を果たしてくれたと思いますよ。お互いにとって。」と返信が来た。ボク自身も同じことを思っていた。

彼とのメッセージのやり取りが終わってから不思議な感情と涙がこみあげて来た。

うまく説明はできないのだけれど、長い間、積み重ねて来たものが「これで終わる」と思うと、どこか寂しいようなどこか解放されたような、ようやく一つの仕事が終わったような気がした。

それから家に帰って『一つの区切りを迎えました』というタイトルで文章を書いた。

その後、彼から電話がかかって来て文章が書き終わったことを告げた。ついでに前日の夜に長い間、考え事をしていてあまり寝ていなかったことを告げた。すると彼から「もっと頼って欲しい」という感じで怒られてしまった。他の案件もだけど、口に出した時、ボクの中では「こうする」という結論は既に出てしまっていることが多い。彼と付き合いだしてから少しは人に甘えられるようになってきたけど相変わらず甘えるのは苦手だ。

文章を書き終えた翌日から2日間続けて彼と遊ぶ予定だったので、これから先はサイトの更新に関してあれこれ考えなくていいと思うと「一つの区切りをつけてよかった」と電話で話しながら心から思った。

一人でいる時間はいつでも作れる。

ずっと一人でいて自分のために多くの時間を使ってきたのだから、しばらくの間は一人でいる時間を捨てても構わないと思った。これから先は文章を書くための時間のバランスを取りながら、もっと身近にいる人のために時間を使っていきたいと思った。

<つづく>

一つの区切りを迎えました

突然ですが報告があります。

 

今まで2年間、このサイトの更新を毎日してきましたが、これから先の更新頻度は不定期にします。


このサイトを閉鎖するつもりはありません。


ただ更新頻度に関しては不定期になります。


毎日の更新を止める理由は、いきなり彼が「明日から海外旅行に行かない?」とか言い出したのではなく、書くネタが尽きた訳ではありません。まだ書きたいことはあって、4か月くらいは毎日書き続けることができる状態です。


当初の予定では『ゲイとしての居場所づくり』を最後まで書き終えてから毎日の更新を止めるつもりでした。その文章の中に毎日の更新を止める経緯や理由を書くつもりでした。


ただ先週、福岡県のある村に行って、その村の人たちの暮らし方や、人との接し方を見ていて、自分の生き方を顧みる機会がありました。それで色々と考えた結果、これから先は「もっと自分の身近にいる彼や両親や彼の家族や友人や職場の同僚のために時間を使っていきたい」と強く思うようになりました。

 

もうボクの中のゲイとしての居場所は見つかっていて、これから先はゲイ以外の側面の居場所も含めて、もっと身近な居場所を大切にしていきたいと思っています。


3月から4月は仕事が忙しい時期でもあって、これまでは休日にまとめて文章を書いていました。ただ、今は休日の時間を彼と一緒にいるための時間に使いたいです。睡眠時間を削って平日の夜に文章を書くこともできますが、そのことに気を取られて身近にいる人たちに対して雑に接するようなことをしたくないです。それに最近は時間が足りなくて、メールをくれた人にも返信できていない状態でした。ずっと気になっていて少し休んでから徐々に返信をしていこうと思います。


ボクは今彼と一緒にやってみたいことがあります。


ここから先は、ボクがゲイだとか、そういった側面は全く関係ないものです。


少し前に書きましたが、彼と一緒に九州県内を散策しているのも関係しています。今はそのために多くの時間を使っていきたいと思っています。


そういう訳で、少しの間ですが休みます。これから先は更新も不定期にします。


またいつか何事もないかのように続きの文章を再開しますので、暇な時間つぶしにでも読んでいただけたら嬉しいです。

 

長い間、読んでくださってありがとうございました。

ライナーノーツ<23>〜二度と戻りたくない場所〜

「最初は彼と付き合っていることを含めて書くつもりはなかった」

今でこそ付き合っている彼との関係を文章で書いているけど、当初は書くつもりは全くなかった。書くようになったきっかけはいくつかあるけど、映画『愛と法』を観たのが一つにある。『愛と法』は弁護士のゲイカップルの南和行さんと吉田昌史さんの日常生活を中心に描いたドキュメンタリー映画だ。

ボクは南さんや吉田さんが、どんな部屋に住んでいて、どんな会話をしていて、どんな食事をしているのか、そういった彼らの日常生活に興味があって上映を心待ちにしていた。

異性同士のカップルであれば親や周囲を見れば観察対象はいくらでも見つかる。でも同性同士のカップルはなかなか見つからない。その頃、ボクが関心を持って読んでいるゲイブログの対象も変わっていた。例えば、のりさんの『僕らの日記』のようにゲイカップルが一緒にキャンプをしている様子を描いたブログなどを中心に読むようになっていた。のりさんたちがどんな風に付き合っているのか強い関心を持って読んでいた。彼と出会うまでだったらゲイカップルの日常生活を書いた文章を読んでも遠い世界の出来事のようにしか思えなかったけど状況が一変していた。

映画の中で、南さんが歌っているシーンがある。

南さんが歌っているのは早くに両親を亡くした吉田さんのために作詞した歌だ。事前にその歌をYouTubeで聴いて、映画の中でもその歌のPV作成のシーンが取り上げられることを知っていた。

ボクは南さんの歌を聴いて、冷静そうな感じの吉田さんは苦笑いするか、もしくは反応に困るのではないかと推測していた。それにPVの中でピアノの弾き語りをしている南さんのシーンの途中で、「KAZU FUMI FOREVER」とハートマーク付きのフェリーが画面に映る。このシーンにも驚いてしまった。でも映画の中での吉田さんは予想に反して南さんの歌を泣きながら聴いていた。そして泣きながら歌を聴いている吉田さんの姿を、南さんのお母さんは少し離れた場所から見守っていた。二人の関係や、二人の周辺にいる人たちとの関係が感じられる好きなシーンだ。

その映画に関連したインタビュー記事だったか動画だったかは忘れてしまったけど、吉田さんが「自分たちのようなゲイのカップルが、どんな生活を送っているのか知ってもらうことは、若いゲイの人たちにとっても何かの役に立つかもしれないと思ったので撮影依頼を受け入れた」という風なコメントをしていた。

吉田さんの言葉を聞いて、ボク自身も彼と付き合いだして、他のゲイの人たちがどういった付き合い方をしているのか知りたくてしょうがなかったことを思い出した。ボクと同じように思っている人がどこかにいるはずだと思った。それでボクも若いゲイの人たちのために、自分たちがどんな生活を送っているのか書くことに決めた。それで『二度と戻りたくない場所』を書いた。

mituteru66.hatenablog.com