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ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

同性愛者としての初体験<1>

 大学2年生の7月になった。イサムさんと出会いがあってからのボクはというと大学の授業が本格的に始まってしまい同性愛者としての活動はしなくなっていた。主だった活動をしない代わりにインターネットを見て知識を蓄えていた。

 ボクは同じゼミのメンバーのショウタ君と一緒に授業を受けていた。文化人類学の授業では、先生がオーストラリアの先住民のアボリジニーに関して説明をしていた。真面目なショウタ君はきちんと授業の内容を聞いていたが、ボクはショウタ君の横で本を読んで時間を潰していた。大学の2年目になると、授業の単位を取得するコツを掴んでしまい真面目に授業を受けていなかった。興味がない授業に関しては本を読んで過ごすようになっていた。退屈で長く感じた授業が終わってから、ショウタ君は教科書をカバンに入れながら言った。

「じゃ次の授業の部屋に行こうか?」

 ボクは読んでいた本を閉じて言った。

「どうしようかな・・・次の授業はサボろうかな。でも暑いからエアコンの効いた教室で本を読んでる方がいいかな」

 盆地の地形のせいか京都の夏はすごく暑い。鍋の中で茹でられているような感覚がした。ボクが真面目に聞きもしない授業に出席していたのは、日中の暑さをしのぐためだった。ショウタ君は笑いながら「そんなことしてると単位落とすぞ」っと注意をしてきた。ボクらは次の教室に移動するために部屋を出て階段を降りていた。反対に階段を上がって来る学生が3人いた。3人とも仲がいいのか楽しく会話していた。そんな向かいから歩いてくる学生の中で、ふとボクの目に止まった人がいた?

「あれ・・・どこかで見た顔がある」

 誰だったろうと記憶の糸をたどるとすぐに誰なのか思い出した。向かいから歩いてくる学生もボクの顔に目が止まっていた。ボクらはほぼ同時に声を上げていた。

「もしかして・・・ヒロト君?」

「神原さんだよね?」

 その学生はボクが生まれてはじめて出会ったボクと同じ同性愛者のヒロト君だった。

<つづく>