一人のホモが悩む年齢という呪縛<結編>

  ドラマを最終回まで見て
 
  そういえば……なおさんが感じた、ボクと「津崎平匡」と共通点って何なんだろう?
 
  と思った。
 
  同じシステムエンジニアだから?
 
  同じ京都の大学に通っていたから?
 
  もう一つ共通点があって、ボクがドラマを見るきっかけになったんだけど、それはなおさん自身も知らないことだった。
 
   同じ36歳だから?  
 
   その登場人物はドラマの進行の途中で、35歳から36歳になった。しかも36歳の誕生日の朝を、生まれて初めて女性と肉体関係を持ってから迎えることになる。
 
  もしかして、もしかして……35年も彼女がいないことが、共通点だと言ってるのかな?
 
  ホモだから彼女はいないのは当然だとして、35年以上も彼氏がいないことを言ってるのかと思った。
 
  さっき紹介した、二人の女性の会話には、もう少し続きがある。

土屋:なんだかんだ言って年齢って呪縛に一番縛られていたのは、あたしなのよね。

 そして五十嵐という若い女性は、人づてに土屋に対して以下の伝言を残す。

五十嵐:幸せな50歳を見せてみろ。

 なんだか、なおさんから「幸せな36歳を見せてみろ」と、プレッシャーをかけらているような気分になった。またしても彼から背中を飛び蹴りされたように感じた。つまり、津崎平匡のように、36歳から37歳の朝を迎える時は、彼氏と迎えて「幸せな37歳を見せてみろ」と彼は言いたいのだろうか。
 
   だとしたらそれは無理だ。
 
   いやいや……諦めるのは早いかもしれない。もう一週間を切ってしまったけど、残りの日数で、きっと彼氏ができて37歳の朝は彼氏と迎えることができるかもしれない。
 
   でもまぁ……それは絶対にないだろう。
 
   もちろん。なおさんが、そんなこと考えていないのは重々承知している。でもボクには「年齢という呪縛」や他の呪縛を断ち切って、「もっと行動していけよ」というプレッシャーのように感じた。
 
  ボクは現時点では、「なおさん」と会わないつもりでいる。
 
  このサイトを通して2人の方と会って、もうボクの方は心の準備はできている。以前感じていたような、彼との間に存在する年齢差は気にならなくなった。
 
  でも今、彼は「あること」をしていて、それに力を注いで欲しい。彼のブログを紹介しないのも邪魔をしたくないからだ。
 
  できれば彼が望む形で終わって欲しいと願っている。
 
  でも、それは彼次第だ。
 
  もし彼のしていることが終わって、それでもまだボクに興味をもっているのであれば、彼が住んでいる街まで会いに行こうと思っている。ボク自身の周りにある、年齢に限らず存在していた、沢山の「呪縛」から解き放つように、何度も何度も背中を思いっきり蹴ってくれたのは、他でもなく彼だから。
 
<終わり>