ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

ライナーノーツ<20>〜職場でゲイとして生きる〜

「今の世相ではありえないような発言を散々に浴びせられてきた」

ボクは転職前の職場で同僚から「ホモ」と散々に言われてきた。

あの時、ボクのことを「ホモ」と言っていた人たちは「今の世相をどんな気持ちで受け止めているのだろう?」と思う時がある。ある議員がLGBTに関する発言をして炎上したけど、そういった状況を見て「自分たちの過去の発言について思い出すことはあるのだろうか?」と思う時がある。

数年前、職場の人事部から『パワハラ禁止』のポスターが送られてきた。

各部署にポスターの掲示が義務付けられて、パワハラ相談窓口やパワハラ対策委員会のようなものが組織にできた。社員からパワハラの報告を受けたら委員会で「本当にパワハラに該当するのか?」を、各関係者を個別に呼んだりして確認を取り、もし問題が見つかれば当事者を呼び、注意したり、何らかの処罰を与えることあると聞かされた。退職する際に、委員会に訴えた人もいるみたいだけど、実際に組織として機能しているのかまで知らない。あくまで建前上、対策委員会なるものを設けているだけのような気もする。ボク自身も過去に一度だけ、第三者から見てパワハラに該当するのかを報告書として提出するように求められたことがあったけど、その後は何の音沙汰もなかった。

毎日のように職場で「ホモ」だの「おかま」だの「こいつは男が好き」だの言われてきた。

その噂は、自社だけでなく、親会社から、下請けの会社から、取引先の会社まで広まってしまった。「現在なら絶対に無理だろうな」と思うような発言が、職場内では普通に飛び交っていた。

でもボクはそういったことを言われても嫌だと思わなかった。最初の頃は「バレたらどうしよう?」くらいに思っていたけど、途中からは「この人たちは本当にしょうがない人たちだな」と笑いながら聞いていた。

そういった発言を嫌だと思ったり、冗談だと思ったり、パワハラだと認識するかは、発言する相手と受け取る側との人間関係次第で変わる。発言の一つ一つに注意しなくてはならない社会に変化しつつあるのは、以前と違って人間関係の構築が難しく希薄になっているからかもしれない。ボクは職場の同僚から「ホモ」だの散々に言われたけど悪意よりは好意を持って声をかけてくる人の方が多かったように感じている。もしボクに対して悪意を持っているのなら、そういったことは言わずに黙って無視する方を選んでいたように感じる。

結局、ボク自身も職場の同僚たちが人として好きだった。

それにボクは仕事が大好きで、職場は大切な居場所の一つになっていた。

転職してからは職場に行くのが嫌だと思ったことが「一度もない」と断言できるくらいに好きだ。今の仕事は業務内容も性格に合っているし、職場の同僚も大好きな人ばかりだ。「この子は弟だな」と感じている後輩もいるし、「この子は息子だな」と感じている後輩もいる。もはや彼らのことを家族に近い存在のように思っている。

mituteru66.hatenablog.com