はじめての有料ハッテン場<10>
「複数でもいい?」
マッチョな男性は短髪の男性にささいた。短髪の男性はボクの顔を見たまま頷いた。
「複数? それはボクも一緒にやるってこと?」
こんなことになるなんて予測していなかったので戸惑っていた。でも今更、「すみません……はじめて店に来たばかりで無理です」とは言い出せなかった。マッチョな男性は、短髪の男性の左手と左足を押さえてから、ボクに右手と右足を押さえるように指示してきた。ボクはただ言われた通りに従った。マッチョな男性は短髪の男性の股間に大量のローションを垂らして、股間を激しく攻めはじめた。
「うわ〜これは本気でキツイだろ」
自分が同じ目にあったと思うとゾッとした。ローション攻めされている短髪の男性は気持ちよさそうに激しい声を上げていた。逃れようと体を動かそうとしても、両手両足を押さえられて身動きが取れないのだ。
「この人大丈夫かな? 失神するんじゃないの?」
そんな不安を抱きながら、心配そうに短髪の男性の顔を見ていると、ふいに後ろの方から別の人が現れた。三十代前半くらいのメガネをかけた真面目そうな感じの雰囲気だった。「君たち面白そうなことしてるね俺も混ぜて」という感じで、ニヤニヤしながらボクの横に座った。メガネの男性はボクに話かけてきた。
「凄いよね?」
「そうですね……」
「君も同じことされたいんじゃない?」
「いや……はじめてこの店に来たんですよ」
「やっぱりそうなんだ。見かけない子だって思った」
そんな軽い会話をしながらメガネの男性もマッチョな男性と一緒になって乳首を舐めたり、キスしたりして短髪の男性の体を攻めはじめた。ボクはみんなのテンションの高さについていけず、何をしたらいいのかわからなかったので、右半身を押さえたまま、ずっと手を握っていた。
<つづく>