絶対に会えてよかった<35>
あぁ……この人は本当にボクの好みの外見をしてるな。
ボクにしては珍しく嬉しさのあまりノリノリになっていて彼に奉仕していた。それくらい彼の外見は、ボクの好みのタイプにクリーンヒットしていた。そんなボクのことを「可愛い」なんて言ってくれるから、さらに嬉しなって奉仕していた。彼は過激でもなく、中途半端な「タチ」で、過激でなく中途半端な「ウケ」のボクと相性が合っていた。
しばらくベッドの上でじゃれ合っていると、ヨウスケさんはボクを責める手を急に止めた。
「あのさ……ちょっとお願いがあるんだけどいい?」
と、彼は言った。
「なんですか?」
ボクは彼に甘えることに夢中になってしまって、さっき買った『ストッキング』の存在を忘れ去ってしまっていた。彼の「お願い」という言葉を聞いて、自分が恥を忍びながらもコンビニで買った物の存在を思い出した。
頭の中を嫌な予感がうずまく。
彼が次に何を言い出すのか大体予想がついた。
「もしよかったらさ……さっき買ったストッキングなんだけどー」
「はい……」
できれば彼の口を塞いで続きの言葉を聞きたくなかった。
「君に履いて欲しいんだー」
「はい?」
彼の言葉を聞いて「あれ?予想と違う」と思った。どちらかというと、スッキングを履くのはボクの方じゃなくて、彼の方だと思っていた。どう応えたようか迷っていると、彼は続けて話し始めた。
「駄目かな?」
彼はボクの好みのタイプの顔立ちをして懇願してくる。
どうしよう……ストッキングくらい履いてあげてもいいのかな?
ボクは全くストッキングとかタイツ類には興味がないのだけれど、彼がそういった物に対してフェチであるのなら望みを叶えてあげたいという迷いがった。
「それともう一つお願いしてもいい?」
「はい……」
さっきよりもさらに頭の中をものすごく嫌な予感がうずまいていた。
彼はボクの体を離してベットから降りて部屋の隅にあるクローゼットの扉を開けた。そしてクローゼットの中から服を取り出した。その服はハンガーにかけられビニールまでかけらた状態だった。彼はその服と、さっき買ったストッキングを大切そうに持って来て、ベッド上のボクの目の前に突き出した。
「もしよかったら、この服も一緒に着て欲しいんだけど?」
と、彼は恥ずかしそうな顔をして言った。
ボクの目の前に突き出されたのは『セーラー服』だった。
<つづく>