須賀敦子

須賀敦子という作家の本を読むようになった。去年の初めころに『コルシア書店の仲間たち』という本を手に取って読み始めたのだが、その時は、はっきり惹かれることはなかった。ただ漠然と心のどこかで彼女の存在がひっかかっていた。

 

それから年末頃。新しく発見されたという遠藤周作の『影に対して』という本を読んだ。その時に、自分がなぜ須賀敦子のことが気になり続けているのか分かった。そのことに気がついてから『コルシア書店の仲間たち』『ユルスナールの靴』『ミラノ 霧の風景』を読んだ。子どもの頃に、遠藤周作の本が好きでよく読んでいたのだが、この二人はどこか似ているのだ。同じカトリックという点もあるのだが、精神性のどこかで深い点で、この二人は繋がっているように感じた。