同性愛者の性長記録<16>

 もちろんN君の写真を見ながらニヤニヤしているだけでなく、その写真をおかずにした時もあった。おかずにする時は、本や物差しで写真上からN君以外の邪魔な二人を排除してからだ。それは……好きな人の写真を持っていたら、当然の帰結な訳でその辺りは許して欲しい。いやはや……本当に書いてて恥ずかしい話ばかりだ。お願いだからヒカないで欲しい。

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 ※2018/1/15〜1/16に追加で以下の文章が入りました。

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 もう少しでゲイ向けのアダルト動画に出会う大学時代に戻ってくるのだが、もう少しだけ寄り道を許してほしい。次の話は、高校三年生の終盤の時代だ。

 高校三年生の終盤に、ボクはいよいよアダルト動画に出会いことになる。ただ……ボクが期待していたアダルト動画とは違うものだけど。

 高校三年生の一月や二月になると、受験シーズン真っ盛りに突入する。ボクは数学が壊滅的に苦手だったので、早い時期から私立文系で受験することを決めていた。国語、日本史、英語の三教科で受験するつもりだった。かなり前から自分が受験したい私立大学をピックアップしていて、1週間から2週間で毎日のように連続して受験する日程になっていた。

 ただ一つだけ問題あった。ボクは田舎の街に住んでいたので、そもそも受験会場が県内になかったのだ。だから全国規模の私立大学を受験するには、その大学まで直接受けに行くか、地方の予備校などが受験会場になってたりするので、その受験会場までいかないと行けなかった。毎日のように受験があるのに、実家と受験会場になっている県を行ったり来たりするわけにはいかない。そこでボクは受験会場になっている予備校がある県のホテルに2週間近く缶詰になっていた。

 田舎育ちのボクはビジネスホテルのような場所に、連続して宿泊したこともない上に、都会に来たこともあって緊張していた。電車に次々と乗り換えて受験会場がある県の駅に着いた時は、緊張から既にぐったりとしていた。

 それまで一人で都会の街を歩いたこともなくてホテルに向かって歩いていると、街の壁や電話ボックスには、風俗系のチラシがいたるところに貼っていて「やっぱり都会は違うな……」と思っていた。ただ風俗系のチラシを見ても、ボクは美人の女性を見ても全く興奮することがないので、「うわ……見たくないな」と思って、目に入るたびに目を背けていた。間違えて少し裏路地に入ると、いかがわしい店の前に立っている呼び込みの男性が声をかけてきた。ボクはそれらを無視してホテルに向かっていた。

 やっぱり都会は怖いな……なるべく受験会場に行く以外は、うろうろしないようにしておこう。

 そんなことを考えながら、ボクはようやくホテルに着いた。既に夕方になっていたので、とりあえずご飯を食べて、ゆっくりしてから部屋で勉強しようと思っていた。ホテル住まい長くなると、コンビニ弁当や外食が多くなるので、母親が気にかけてくれて弁当を作ってくれていた。ボクは母親が手渡してくれた弁当を食べてながらテレビを見ていた。その受験会場になっている県に、初めて来たので何のチャンネルがどの放送局なのかも分からなかったので、次々とチャンネルを変えていた。

 そうやってリモコンのボタンを適当に押している時だった。テレビの画面に突然と裸の女性が現れた。ボクは突然の出来事に頭の中が真っ白になって何が起こったのか状況の把握ができなかった。

<つづき>