「いつの時代から書き始めたらいいのだろうか?」
ゲイブログを書き始めるにあたって、そんなことを迷っていた。
ボクの場合は、カミングアウトした中学時代から書くべきなのか? カミングアウトして一番ひどい目にあった高校時代から書くべきなのか? 本格的に同性愛の世界に踏み込んだ大学時代から書くべきなのか? それとも今も生きている社会時代から書くべきなのか?
そんな感じで、どの時代から書くべきなのかをあれこれ迷っていた。
もしかしたらボクと同じように過去の出来事を振り返りながら文章を書き始めようと思った人たちの大半が、どの時代から文章を書き始めたらいいのか迷ったんじゃないだろうか?
これが几帳面な性格の人であれば、幼少期から真面目に育っていった順番に文章を書いていくかもしれないけど、ボクの場合、適当でいい加減な性格なので自分が書きたいと思った時代から書こうとした。
とは言っても、ゲイであることをカミングアウトした時代も書きたいし、ゲイとして一番活動をしていた大学時代も書きたいし、正に体感している社会人時代からも書きたいと思った。
さてどうしたものか……書きたい時代がいくつもある。
それで「これら全ての時代が交差しているような瞬間は無かったろうか?」と思った。そして振り返るうちに、ある瞬間を見つけることが出来た。
大学時代で卒業する前のタイミングで、中学時代や高校時代の同級生たちとの再会したタイミングで、これから社会時代に足を踏み出すタイミング。
「よし。このタイミングなら全ての時代を網羅している」
それで大学を卒業する間際に、帰省して同級生と再会している場面から書くことを思いついた。
ボクは「この場面しかない」と思って恐る恐るキーボードを叩いて文章を書いた。
でも今となって振り返ってみれば、そこまで深刻に考えずに、いつの時代でも書きやすいところから書けばよかったと思っている。どうせ、あれこれ色んな時代から中途半端に書き始めているのが現状だ。
とっくの昔にボクの中の初々しさは消滅してしまっていて、「この話をずっと書いてたけど、もう飽きた」「別の話が書きたくなったから、こっちを書こう」「あれ?そもそもこの文章って何が書きたかったんだっけ?」と、かなり加減だったりする。それで書くのを忘れて放置したままだったりする。
しかも今回、この文章を書くにあたって改めて読み返してみて、最初の書き始めたはずの『過去との決別』の章が未だに書き終わっていないことに気が付いて愕然とした。
でも……まぁ。そのうち書けばいいさ。
と、相変わらず適当でいい加減な性格なので開き直ることにした。
そんな性格を直すつもりも毛頭ない。ずっと書き続けていれば、そのうち戻ってきて再開することもあるだろう。焦らずに地道に書き続けてさえいれば、そのうち、それぞれの時代の隙間も埋まっていくはずだ。
つまり言いたかったのは「そんなに気負わずに書き始めればいいよ」と「定期的に書くのを止めずにいればいいよ」ということだ。