彼と知り合ってから頻繁に園芸店に行くようになった。かなりの回数で行ってるので、ぱっと苗を見ただけで、それなりに植物の名前が分かるようになってきた。
そんな中、気がついたことがある。
僕が「この花は綺麗だね」と言ったのは、紫苑。都忘れ。マーガレット。ダリア。ガーベラ。などなど。どこかの園芸店や、どこかの家の庭で咲いている花を見て、こういった植物を好きになることが多いのだが、これら全ての植物には共通点がある。植物に少しでも詳しい人なら気づくかもしれない。
これら全てキク科の植物なのだ。
どうやら僕はキク科の植物が好きらしい。キク科の咲いた花びらに力強さを感じてしまうらしく見ていると不思議と温かい気持ちになってしまう。
そう思っている中、貸し農園で野菜を育てていたところ、深い緑色と紫色の葉っぱのとても綺麗な野菜が育った。僕が「葉っぱが綺麗!」と反応するのも、彼は「キク科ヤロウ」と呆れた顔をして言った。どうやら「葉っぱが綺麗」と言った植物もキク科らしい。その植物の名前は「金時草」。または「水前寺菜」とも言われる。
ありゃりゃ。どうやら花だけでなく葉までキク科に惹かれてしまうらしい。
先日、通勤途中に皐月の花にうもれて、別の小さな花が咲いているのを見つけた。すごく綺麗だったので、その植物に自然と視線が注いでしまった。その植物の名前は「コヨメナ」。
2ヶ月前、彼の用事が終わるまで近くの園芸店で時間を潰していた。よくよく考えてみると一人で園芸店に入ったことはないかもしれない。その園芸店で初めて一人で植物を買った。その園芸店には一年前の秋に訪れていて、店先にとても綺麗な花が咲いていたので目につけていた。
その植物の名前は「野紺菊」。
その中でも「藍空」と言われる品種の花を買った。その苗はまだ小さく花壇の片隅に植えられている。
初めて一人で買った植物の野紺菊。秋頃に花が咲くか楽しみにしている。