絶対に会えてよかった<103>

もしかしたらネットに投稿した文章を読んで、誰かがメッセージをくれる人がいるかもしれない。

 

もしかしたらハッテン場に立っていれば、誰かが声をかけてくれる人がいるかもしれない。

 

僕が今まで出会ってきた人たちも声には出さないけど、そんな思いを胸に秘めていた。

 

ネット上に文章書いている人たちも、「もしかしたら自分が書いた文章を読んで共感してメッセージをくれる人がいるかもしれない」と胸に秘めながら書いていた。僕自身もそうだった。人は寂しくて誰かと繋がりたくて絆を求めて生きている。沢山の絆はいらない。ちゃんと結びついていると思える人が、一人でもいてくれれば生きていける。そんな人との出会いを求めている。

 

朝起きて「今日こそは自分にとって大切な人と出会えるかもしれない」と思いながら生きて、夜寝ながら「明日こそは自分にとって大切な人と出会えるかもしれない」と思いながら生きて、毎日の時間が過ぎていく。

 

ただ、たまには立ち止まって過去に出会ってきた人たちのことを振り返ってみてもいいのかもしれない。もしかしたら本人が気づかないうちに、自分にとって大切な人と既に出会っていたのかもしれない。

 

今まで自分自身の人生について文章を書いてきた。

 

文章を書きながら自分の過去を旅することで、現在や未来に対する自分の中にあった考えや価値や基準が再認識できた。他の人が書いた文章を読んで救いとなる言葉を見つけることもできる。でも、そんな言葉は自分自身の手でも書くこともできる。むしろ自分の手を使って書いた方が血肉になる。

 

人の生き方はそれぞれ。

 

人と人の出会い方はそれぞれ。

 

もっと多くのゲイとしての生き方や出会い方があるはずだ。

 

僕はもっと他のゲイの人が選択した人生を知りたい。そういったことが書かれている文章を読んでみたい。

 

<終わり>