ライナーノーツ<27>~ゲイとして生きる君へ~

「この文章を書いた時、ゲイブログとしての一つの終着点が達したと思った。」

 

けど……

 

書き終えて半年以上経って、久しぶりに自分が書いた文章を読み返してみた。我ながらこんな文章をよく書いたなと思いながら読んだ。この文章は、自分が書いたという認識があまりない。自分が書いたというより、書いた言葉が次の言葉を呼んで書いたという状態だった。

 

誰かに宛てて書いた文章だし、その人が間違いなく読んでいるのも知ってる。それにしてもいきなり、こんな文章を書かれた方も驚いただろうが、書いている本人としては、そういったことは全く考慮してしなかった。もしかしたら文章を受け取った人がプレッシャーを感じて書けなくなってしまっているかもしれないけど、きっと大丈夫。もし、このまま文章を書くのを止めたとしても、きっと無駄にはならない。

 

その人の中で言葉はちゃんと育っているはずだよ。

 

書けないってことも捨てたもんじゃない。ただ、もしその状況から抜け出して、文章を書き始めることができたら、きっとその時に書く言葉は、君にとって、とても強い心の支えになるはずだよ。

 

それはそうと「僕には文章を書いていく中で大切にしている人が二人います。」と最後の辺に書いたけれど、「僕が書いた文章を「読む」という面で大切にしている人」とは、この文章を宛てた人だ。

 

じゃあ、残りの「僕が文章を「書く」という面で大切にしている人」とは、一体誰なのだろう?

 

その人は僕と同じゲイなのだけれど、彼のことを知って2年以上経つ。その間、ずっとライバルだと思いながら文章を書いてきた。その人とは今はもう連絡は取ってないのだけれど、僕がゲイブログを書き始めて、ライバルだと認めた唯一の人だ。僕が勝手にライバルだと思っているのだけれど、文章を書きながら「こんな文章を書いたら彼に怒られるなー」とか思いながら書いたりしている。文章を書く前や、書いている途中、書き終わった後、頭の中には彼がいる。もう彼に宛てて文章を何度書いたのだろう。僕の方もゲイブログとか関係ない内容になってるし、彼の方もどんな形でもいいから文章を書き続けて欲しい。

 

これから先も、ずっとライバルでいて欲しいなって思っている。

 

書き終わって半年以上が過ぎたけれど、また1年後、2年後に読み返してみて、どう僕が感じるのか楽しみにしている。